印字が少しかすれていますが、EM 600V EEF/F と印字されています。
VAストリッパーを使用する方は、購入時にエコ電線対応品を必ず選んでください。
対応品でないとケーブルを加工することは困難です。
では、対応品であれば…ということなのですが、実は対応品であってもうまく剥けないケースが多いのです。
← H社製VAストリッパでの加工。刃は入っているが完全に切れていないため、このままではうまく剥けない。
ではどうしたら良いかなのですが、電工ナイフを併用するようにしてください。
正直、少し慣れたらシース剥ぎ取りだけならば、エコ電線に限っては電工ナイフのほうが早く綺麗に加工できます。
「だって、先生はナイフ使いだから早いんでしょ?」と、よく言われます。
まぁ確かに私は、エコ電線にかぎらずVAストリッパ使うよりナイフの方が早いですが(笑)
ただ、半日もナイフ扱っていればシース剥ぎ取り位ならすぐにマスターして短時間に綺麗に加工できるようになります。そうした受講生さんからは
「シースはVAストリッパの恩恵が感じられなくなった」との声も多くでます。
中の絶縁被覆も慣れればそう難しいものではないですね。ただ、やっぱりちょっと怖いかな?という方は、使い分ければいいだけの話です。なにもVAストリッパ使ったら全部それでやらなければいけないなんて決まりはないんです。
さて、難題のエコ電線ですが、こいつの絶縁被覆はナイフならVVFのそれと殆ど変わりません。ちょっと固いかな くらいのところです。
実は、固いのではなくて粘るんですね。
だからVAストリッパの刃が入っても素直に切れてくれないのです。ここで無理に工具を引っ張って引きちぎろうとすれば銅線に傷を入れたりとトラブルが増えるだけです。
工具の精度にも当たり外れのムラがあります。10万もするような工具なら、そこまでの精度がほしいところですが、高いと言っても5〜6千円の工具にそこまでは求められませんね。当たりの工具であれば剥きにくいながらもなんとかなることもあります。
そうそう、エコ電線の場合は刃が寝やすいので電線と工具が直角になるように気をつけてくださいね。これができないとうまく剥けるものも剥けません。
訓練校で使用している工具を何十本と見ましたが、残念ながらなんのストレスもなく剥けるものは皆無でした。
私の私物は、若干の調整をして剥けるようにしてありますが、それでもエコ電線の材質から銅線と被覆が固着していることも少なくなく、この場合もうまく剥けません。
では、そんな時の剥き方です。
VAストリッパの刃が入った部分にナイフを当てて、すぐに刃を寝かして鉛筆を削るように被覆を削ってください。
端までは要りません。指が引っかかる部分を作るだけでいいんです。そしてVAストリッパの刃が入った残りの部分にナイフの刃を軽く入れます。
あとは、クルンとひねるような感じに回せばうまく剥けるはずです。
少しコツも要りますから、試験前にチャレンジしておいて欲しいところです。
さて、実はナイフを使わずに電工ペンチで追加処理を行う方法もありますが、それはまたいつか。
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