危険物取扱者 ガソリン燃焼の問題

電気工事士上期の技能試験が近いので、ついついそちらのネタに偏ってしまいますが、現在担当中(来月頭までは私は休壇)の職業訓練校のクラスは、先週に危険物の講義が終わって、そろそろ受験の人もいますのでたまには危険物の話でも。


 

以前、受講生さんから「こんな問題がでたのですが」とメールをもらったことがあります。

  • 危険物の品目とその化学式が出ていて、完全燃焼時に最も酸素を多く消費する物質は?

あれ?受験したの乙種だよね?と、確認するとたしかに乙種でした。

まぁ、乙種でも物質の蒸気比重を求める問題とかも過去に出たようですし、消防のことですから出ても不思議はないな。と思っていました。

カリキュラムの日数が少ないのがきついのですが、こういった問題の時の対策も応用含めて講義しているつもりですが、なかなか難しいですよね。

そんなおり、ある方のブログで甲種危険物取扱者の想定問題についての記事を見かけました。で、これをある元講師に話したところ、「乙でもよく似たの出るらしいよ」と。

まぁ消防のことですから…やりかねん(笑)

問題はこんなのです。

1リットルの空気(0℃ 1気圧 酸素20%)でガソリンを完全燃焼させるには、何gのガソリンの蒸気を混合すればよいか。
ガソリンの平均組成はC7H16とする。

単位が入り交じっているので注意が要りますね。あとは、アボガドさん じゃなかったアボガドロさん登場です。

ガソリンは混合物ですが、平均組成がわかっていますのでこれが燃焼する式を考えます。酸素は空気中の酸素ですので酸素分子で考えてください。ここ間違えちゃ駄目ですよ。

そうすると、完全燃焼で水と二酸化炭素が生成されるには11molの酸素分子が必要と求められます。

それから、ガソリン1molは100gですね。(C=12 H=1)

空気は22.4リットル/molですね。酸素は20%ですので酸素を含めた空気の量で考えます。空気20%+その他の気体80%=空気100%ですから、酸素の5倍が空気全体ということですね。ガソリン1molが完全燃焼するときの空気の量を求めて、1リットルあたりのガソリンのg数を求めればいいですね。

  • 答え: ガソリン 100g / {22.4リットル×11mol×5倍(20%なので)}≒0.081

難しがらずに、ゆっくり考えれば乙種の勉強でも十分に答えられます。乙で習わないことは一個も出てきませんものね。


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